キエル・ハイムに対するハリー・オードのキスと建国宣言の裏側
稲田徹氏が演じたターンエーのハリー・オードの裏話です。
■38話のキスシーンについて
第38話「戦闘神ギンガナム」 - ストーリー|∀ガンダムWeb
ターンAガンダム全セリフ集_第38話「戦闘神ギンガナム」
キエル 「わかりました。なら、私をディアナにしてミドガルドに預ければ、アグリッパ達と刺し違えればよろしいのでしょ」
ハリー 「ギム・ギンガナムが出てきたのです。まっすぐにアグリッパの所には行けそうもありません」
キエル 「ハリー大尉にとってキエル・ハイムは、ディアナ様の影武者にもならない女でしょうか?」
ハリー 「どういう意味でしょう?キエル嬢はご立派に」
キエル 「私は、ハリー殿が好きなのです」
ハリー 「ありがたいことです」
キエル 「そういうことではありません、ハリー・オード」
ハリー 「自分は親衛隊の隊長でありますから、ディアナ様以外に心を動かされることは」
キエル 「ハリー殿」
ハリー 「動かされることはござ」
キエル 「ハリー」
「好きだとおっしゃってくだされば、アグリッパを暗殺する事だってやってのけましょうに」
ハリー 「キエル・ハイム、いかように私をなぶっていただいてもよい」
キエル 「…」
ハリー 「あなたには、ディアナ様の盾になっていただきたい」
キエル 「…」
ハリー 「そのかわり愛するという愛では、それは貧しいでしょう」
『∀ガンダム』裏話を一つ。
ハリーがキエルにキスするシーン。俺はハリーはキエルに申し訳ない気持ちでいると思っていたんだけど、富野監督曰く「ハリーさんはこういう状況をめんどくさいと思っていて、黙らすためにキスをした」との衝撃発言!
— 稲田徹 (@trombe_boss) 2014, 10月 17
だからあのシーン、俺は「この女めんどくせ!」と思って演じています。
良い雰囲気だと思って見てくれてた皆さん、申し訳ない。
人間なんて、表面上良い感じに見せてても、腹の中じゃ何考えてるかなんてわかったもんじゃないって事ですよ。
— 稲田徹 (@trombe_boss) 2014, 10月 17
そのシーンの説明をしてくれてる時に、富野監督から更なるハリーの裏設定をサラリと聞いたんだけど、これは言っちゃいけないかもしれないんで、今は言いますまい。
あれはちょっとビックリした。
— 稲田徹 (@trombe_boss) 2014, 10月 17
ラブロマンスな場面ですが、
富野監督「ハリーさんはこういう状況をめんどくさいと思っていて、黙らすためにキスをした」
と裏で思っているのは面白いというか、現実らしく富野作品という感じがします。
■18話の建国宣言後
18話についても
ターンAガンダム全セリフ集_第18話「キエルとディアナ」
ハリー 「理想論だけでは軍は抑えられませんぞ、キエル・ハイム。グエン・ラインフォードの秘書官のキエル・ハイム嬢という一般市民でも、今日のディアナ様のようにあまいお考えは持たないでしょう。そう申し上げたい」
キエル 「あのような市井の女と、ムーンレィスを束ねるワタクシを同じ女と思うな。貴下ら男達は、女王たるワタクシに従えばよい」
あともう1つ思い出した。
ディアナ様に化けたキエルによる建国宣言のシーン。
ハリーはそれを見抜いていたので、スピーチの後にああいった事を言ったのかと思っていたら、富野監督は「カマかけただけ」と。
しかもキエルさんにピシッと返されたので、「やっぱ違ったかな?」と思い直したとか。
— 稲田徹 (@trombe_boss) 2014, 10月 17
そのため、建国宣言後は、ハリーはどっちがディアナでどっちがキエルだかまるで判ってない状態で付き従ってたらしいです。
それを表面に出さずにシレッと振る舞ってるハリーは、やっぱり愛おしいバカだ。
— 稲田徹 (@trombe_boss) 2014, 10月 17
稲田氏はターンエーに非常に思い入れがありますね。
2014年12月21日の行われた Blu-ray BOX 発売記念スペシャルナイトイベントでも素晴らしいお話が聞けました。
私も行きまして、非常に楽しかったのです!!
シャア専用ニュース 「∀ガンダム」声優陣が語る、愛すべき富野由悠季監督のエピソード! 「∀ガンダム Blu-ray BOX 発売記念スペシャルナイトイベント」レポート!
稲田:僕は、第1話には出てなかったんですけど、アフレコの見学に行ったんです。ポゥ少尉の中西(裕美子)さんと一緒に行ったんですけど、富野(由悠季)監督が中西さんに熱心に「ポゥというのは、こういうキャラで、こういうキャラでね!」って説明して、「ああ、熱い方だなあ」と思って、ハリー(のキャラクター)の説明をどうしてくれるんだろうと思っていたら、「ハリーはな、(台本を)読めばわかるだろ!」って(笑)。
稲田:今「ガンダム Gのレコンギスタ」という作品で…。富野監督が男に優しいんですよ…。心配になるぐらい優しいんですよ。僕がこの前、収録に参加したときに、(僕の方を見て)ニヤニヤしていたから、「生意気だ」と思われたのかなと思って、「(「∀ガンダム」から)15年経っても、お陰様で、今でも仕事を続けています」と言ったら、「それは違うよ。君が15年頑張ったからだよ」と言ってくれて、俺、その場で泣き崩れました。いやホントに。