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富野由悠季監督が語る社会変える次世代ロボ、NHK「Biz+ サンデー」特集より

番組「Biz+ サンデー」にて富野監督が話した箇所です。
4月13日放送のNHK「Biz+ サンデー」にて富野由悠季監督が登場



Biz+ サンデー  特集 社会変える次世代ロボ

出演者

司会 野口修司氏、若林理紗氏

ゲスト 富野由悠季監督、比留川博久氏



比留川博久さん 
産業技術総合研究所 研究部門長
長年ロボットを研究
技術開発や経済効果に詳しい

富野由悠季さん
アニメーション監督
「機動戦士ガンダム」の生みの親
様々なロボットアニメを演出


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若林
-今ですね、日本ではこうした装着型ロボットをはじめ、社会の中で人の仕事や生活を支援するロボットを開発し、事業化する動きが加速しています。次世代のロボットの可能性と課題を考える今夜の特集


若林
-多くのロボット開発者に影響を与えたガンダムの生みの親、アニメーション監督の富野由悠季さんです。






若林
-富野さんは、このSFの世界の中にあった装着型ロボットが今現実となっている現状はどうご覧になりますか?

富野
あのー、良い方向に進んでいるというふうに思っています。つまり人型のロボットっていうところだけでこだわるのではなくて、本来のロボットっていうのはこういうものである、つまり道具であるべきだというふうに思っています。そういう意味ではようやくここまできて、何よりも実用化の糸口が見えてきたという意味では良いところ、言います、触っているんじゃないのかと思っています。ですから、問題なのはこれ以後の、つまり技術者が何を考え、どういう志を持って開発していくかというところが、ちょっと課題としてまだあるんではないのかなと思ってはいます。

若林
-それはどういったことでしょうか。

富野
これはもう比留川先生がいらっしゃるから、比留川先生の方からお伺いしたいぐらいなんだけど、まず、安全基準の問題。とか後、法整備の問題。つまり、今どこでも使えるというものではないという意味での現実もあるわけです。それと実際に、本当にあの道具であるからなんですが、道具が全部安全かという問題もあります。それは、当然メンテナンスの問題もあると同時に、本当にその性能っていうのをコンスタントに維持していくという部分は技術論としてかなりめんどくさい問題だと思っています。だから、何を目指すべきかというと、要するに今の新幹線レベルですね。つまり、あれだけ毎日出ていても事故を起こさないっていうああいうバックグラウンドを構築してかなくちゃいけないっていうのが技術者に求められている。で、そういう視点を持った上で、これ以後専門に走って、なっていこうっていう若い世代たちは本当にやっていって欲しいんだけれども、今言ったように社会性っていうものをどういうふうに配慮し、またそういうセンスを自分が持てるかということは、これはもう高専レベルからきちんと考えていってほしいなというふうに思います。



医療や福祉、流通などのサービスロボットの市場規模は、2035年には5兆円に上ると言われている(出典 経済産業省)
比留川氏は、少子化のために労働人口が減りそれをロボットで補えば5兆円の市場規模になると話す。しかし、世の中はロボットを欲しいわけではなく、問題があってその問題をロボットで解決できるどうか。
富野監督が話した安全性については、ISO13482 ロボットの安全に関する国際規格などロボットを世の中に出すための社会的インフラは整備されつつあると感じる。



野口
―富野さん、この産業用をしのぐ位の勢いでこういう分野が広がってきそうだという、そのカギを握るものっていうのは何だと

富野
メンテナンス論と同時に、今思い付いちゃったことがあって、打ち合わせでは喋ってなかったことを喋っちゃいますが、実を言うと、道具というのは立体物でしょ。要らなくなったときに邪魔になるんですよね。ということは産業廃棄物として出るという問題まで含めてどのように、絶えず使っていける道具なのか。それから、技術革新をしていくことによって、マイナーチェンジが起こる。そうすると前の古いものは使えなくなるみたいなことを我々はずっとやってきています。これを、これ以後はロボットでやって欲しくないっていうような問題をどこまで想像できるかとか、そういうものに対処できる、何て言うのかな、工学論とか社会の中でのつまり廃棄物の問題まで視野に入れた道具の使い方っていうものを考えて頂きたい。つまり、これ実際にプラモデルで経験したことがあるんですが、立体物って一度作っちゃうと場所を占めるんですよ。そうするとこの後どうするかという問題は、道具になったときに、それはもっと大きな、深刻な問題として、出てくる問題でもあるだろうということで。本当にすみません、打ち合わせでないことを話してしまいました。(頭を下げる)

野口
-いえいえ、あの、だからそこまで現実的なレベルに来ていることだと

富野
全くそうです。


日本は最先端ではあるが、アメリカもものになるとみており、日本でしっかりとものにできるか大切な時期にあると話す比留川氏。

そのアメリカで、一般社会の中でロボットを活用する動きが加速しており、特に目立つのがドローンと呼ばれる無人飛行ロボット。政府も商業目的での使用を認める方針で参入する企業が相次いでいる。
輸送用ドーロンやゲーム用ドローンなどがある。
アメリカの警察の一部では治安の悪い地域のパトロールでドローンを使用。しかし、市民からは不安の声もある。

番組で流れた映像の一部
Amazing in Motion - SWARM - YouTube
Our Drone Future - YouTube




若林
-こうした監視社会への懸念っていうのは確かに気になるんですが、富野さんはこうした負の側面があることに対して、私たち人や社会全体とどう向き合っていくべきだとお考えですか?

富野
装着型のものに関しては、ガンダム的なものを例えば10の完成度だとすると、僕はもう現在2とか3のレベルにいっているような気がしています。つまり道具としての役割がハッキリしているのと人と隣接している部分があるからです。ドローンの方とか特に飛行体について言いますと大変疑問があります。というのは、リモコンでコントロールできるという部分も含めて、やっぱり考えるべきことがあるし、一番大事なことは、どうもこういうものを開発しようとしている技術者たちは、人の性善説に則ってやっている。それから、自分たちの目的意識が鮮明なっていう部分での技術を行使するというとても正義に見えるんですが、一般社会にこの技術を下した時に、投下したとき、つまりみんなが使えるようになったときに何が起こるかということの想像をほとんどしていない。それは、仰られる監視みたいな部分にいってしまうという逆転現象が起こっているわけです。それが実を言うと、特にデリバリーのものに関して言うと本当にあれが一般人に触れるところまで行くのかというのは、僕は技術者たちが勝手に思い込んでいる部分で、どう使われるか分かりませんよ。

野口
-悪い意味で純粋すぎるという?

富野
いやいや、悪い意味なんてもんじゃなくて、一番危険なことなんです、理科系の人に(笑)



野口
-お二方に話を伺って、技術は非常に良いところまできているんだけれども、それを受け入れる社会の環境というか、そういうのがまだ人間の方も含めて整っていないと

富野
環境の問題は当然あります。だからアメリカという大陸でだったら使いうる技術であるということも想像もできます。ただそのことだけで簡単にそれが日本の社会の中に適合するタチのものだとも思えない。そういう意味で、本当技術者たちっていうのは永遠に心がけないといけないのは社会の隅々までこの技術が行き渡ったときに、どのように影響するのかという想像力が、正にベンチャーだけで「ドーン(腕を前に出しながら)」と行っている部分の怖さを感じます。



産業として発達させていくために日本が抱える課題はと聞かれる比留川氏。ロボット開発は大企業ではなく、大規模な投資を得たベンチャーが向いているのはないか。富野監督が言ったように理科系だけで突っ走らないように。



野口
-富野さん同じ意見というか、ネガティブに見ればそうですけど

富野
そうですけれども、全く矛盾したことを一つだけ言いますと。ただ、だからといって「理科系がいけない、いけない」と言っている気分じゃなくて、もうちょっと素直に燃えて欲しいなって気分も実はあって(笑)その辺が、いわく言い難く、技術を開発していく熱意みたいなもので、なんか日本人の礼儀正しさみたいなのがちょっと気になるときもあります。だからそこが本当いわく言い難く。「(比留川)先生、若い方をご指導よろしくどうぞお願いします(比留川氏の方に頭を下げる)」、というふうに言っちゃう部分があります(笑)




若林
-まだまだ可能性も課題両方あるということで、ここまで社会の中で使われ始めた次世代ロボットについて、産業技術総合研究所比留川博久さん、そしてガンダムの富野由悠季さんと共にお伝えしました。









画像は直にTVを撮っています。TV本体に時間が映ってしまっていますが気にしないでください(笑)

実はまだ全部ではありません(汗
富野監督の話の1/3ぐらいです。ここまで起こしたので先にあげることにしました。
残りはなるべく早く追加します。



残りを追加して発言全部の文字起こしが終わりました。
特集は約20分で富野監督の発言は10分以内ぐらいだったのですが、文字にしてみると案外長くなりました。


比留川氏や特集の内容もあってかTAAF2014のロボット論とは少し異なりました。
富野由悠季監督、『ガンダムGのレコンギスタ』のPVについて語る- TAAF2014トークセッションより

ロボットを使い終わった後の産業廃棄物の問題にまで踏み込んだり、一般社会でのロボットの使い方にも警告しています。

司会の野口氏とは少しかみ合っていなかったように見えました。
テーマに沿って話すこの特集も悪くはなかったのですが、『教えて下さい、富野です。』のように比留川氏二人で話されたらもっと面白くなっていたかもしれません。
もともと富野監督が主体の番組ではないので仕方ありませんね。



打ち合わせでは喋ってなかったことをしゃべったのは驚きましたが、そこが監督らしくもあり(笑)
監督の
「正にベンチャーだけで「ドーン(腕を前に出しながら)」」が少しかわいかったです(笑)





2014年4月18日 追記・修正



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