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『河森正治 ビジョンクリエイターの視点』より、富野・ガンダム関係

2013年1月18日に発売した『河森正治 ビジョンクリエイターの視点』より、富野監督・ガンダム関係を抜き出しました。
この本について2つ記事を書きました。
富野由悠季、河森正治とタッグを組む企画があった
河森正治とガンダム

※一部要約しており、全文ではありません。元記事をお読みになりたい方は、「河森正治 ビジョンクリエイターの視点」をお求めください。

河森正治 ビジョンクリエイターの視点  | キネマ旬報社
内容紹介
『マクロス』『アクエリオン』『AKB0048』など、メカニックデザイナー、監督のみならず、
原作、脚本、演出と幅広く活躍中の“ビジョンクリエイター"河森正治。
学生時代からプロとして活動、すでに35年以上におよぶその創作キャリアのすべてを語り尽くした、
究極の「河森正治本」が登場!
目に見えるものすべてを生み出す、ビジョンクリエイターの視点とは?
河森正治が作品づくりの姿勢やヒントを語り尽くした、クリエイター本の決定版!

【CONTENTS】
●20時間ロングインタビュー
・河森正治と、デザインを生み出すこと
・河森正治と、取材がもたらすもの
・河森正治と、アニメーションを作ること

●カラーグラビア46ページ
・日常の仕事風景
・河森正治デザインの源流と進化の歴史
フィッシャーテクニックと40数年ぶりの再会/デザインとスタイリング
・河森正治本人撮影の写真でふりかえる30年分の取材旅行記
アメリカ、中国、インド、ネパール、タイ、ヨーロッパ・・・etc.

●スペシャル対談
・原田則彦(ZAGATOチーフデザイナー)×河森正治
・ブルーインパルス×河森正治
・シルク・ドゥ・ソレイユ KOOZA×河森正治

●河森作品の“今"を支えるスタッフたちの証言
佐藤道明(サテライト代表取締役)/菅野よう子/天神英貴/佐藤英一/江端里沙/丸藤広貴
岡田麿里/橋本トミサブロウ、八木下浩史、池田幸雄(サテライト CG チーム)
ロマン・トマ、ブリュネ・スタニスラス、ルガル・ヤン(サテライト フランスチーム)

●河森正治WORKS(仕事年表と主要作品解説)

☆ラフデザイン、アイディアメモや企画メモなど貴重な資料も満載!
・『マクロスF』のVF-25やVF-27ラフデザイン、レアなYF-29のラフデザインも収録
・本邦初公開となる『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のガンダム各機ラフデザイン収録
・『クラッシャージョウ』『超時空要塞マクロス』デザイン誕生の軌跡を追う、
当時のスケッチ帳からの幻のデザインアイディアメモを収録
・『超時空要塞マクロス』の原案となった『メガロード』の企画メモ収録
・実現しなかった幻の企画の数々も河森正治本人の言葉で紹介
・・・etc.

中国1人旅が運命を決定づける(CHINA 1985)

 その中国旅行も、次の企画のためのものでした。没になったんですけど、サンライズさんでやろうと思っていた遊牧民が出てくるロボットものです。巨大な惑星が舞台で、地上を進む民族と川を進む民族が対立する世界があって、そこの次元ジャンプのような形で飛び込んでしまった主人公たちが巻き込まれて……っていう話ですね。 ※1

(後略)

電車の中すら作業場だった

(前略)
 当時は忙しかったけど、みんな若かったですからね、宮武(一貴)さんは30歳前後で、自分の今の年齢よりもずっと若かったですからね。自分は『クラッシャージョウ』のデザインをやりながら、『超時空要塞マクロス』の企画をやりつつ、タカラのダイアクロシリーズや『ゴールドライタン』を描き、富野(由悠季)さんとも別の企画をやっていました。富野さんとの企画は、主役マシンのハッチやパネルが開閉してエアブレーキになって、中の構造が見えるというウリの設定を考えた作品だったんです。が、『マクロス』が発表されたときに、「他所でなにをやっているんだ!」って企画がNGになってしまった(苦笑)。サンライズ以外でそういうロボットものの企画をやっていたのがダメだったみたいで。でも『マクロス』は、そもそもサンライズさんに提案して断られた企画なんですよ(苦笑)。


あらゆる仕事を受ける時代

 『舞夢』の件※2では、当時サンライズに所属していたボンズの南(雅彦)さんや、現・A-1 Picturesの植田(益朗)に多大な迷惑をおかけしてしまったんです。その後はあらゆる仕事を受けますって心に決めました。南さんに頼まれることはなんでもやる。それは今も変わらないです。
 『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に参加したのも、その流れですね。実は『機動武闘伝Gガンダム』も、格闘ものになる以前、「火星を舞台にしたガンダム」というコンセプトだった時期に参加していて、目玉型の火星基地などを描いていたんですよ。その火星基地は、のちに『カウボーイビバップ』で活用されます(笑)。
 スタイリングを担当した『0083』のときは、8種類ぐらいガンダム案を出して、「これはさすがに元デザインに近すぎるだろう」と思っていたのが通ってちょっとがっかりでした。ほかは試作2号機を試作1号機とした案もあったし、モノアイのガンダムも描きましたね。試作2号機も当初はモノアイだったんですよ。ほかにも従来のガンダムのディテールを全く使わないものも考えましたけど通らなかった。
 同時期だったと思うんですが、いろんな演出家に短編のガンダムを10本ぐらい共作させるっていう企画があって、自分はちゃんと重心位置に砲身の軸がある、もしくは無反動砲のボールを作って、それをガンダムと呼ぶっていう企画を出したんですけど却下されました(笑)。そんな感覚があったぐらいだから、元のデザインを変えることに抵抗はなかったんです。
 もともと『機動戦士ガンダム』って設定面は作りながら辻褄を合わせるってくらいアバウトなものだったのに、『0083』の打ち合わせに出ていると、若いスタッフから「それは設定にありません」と言われるのが不思議でしたね。もう「その設定はオレが作ったから変えたっていいでしょう?」って思ってしまう。まぁ変な話ですよね(笑)。

「遊び」が事実としてとらえられる怖さ

 そもそも自分がセミプロみたいな学生時代に、友人たちと『Gun Sight』っていう公式と非公式の中間ぐらいの同人誌を作っていたんですけど、それがのちに発展して『ガンダムセンチュリー』という1冊の本になって、それを富野さんに気に入っていただけて、今に続くガンダムの設定のベースになっていますよね。当時『ガンダム』って、ミノフスキー粒子っていう言葉はあっても、それは具体的になにか?という設定はなく、年表もほとんど存在しなかった。そういった設定面を補足する遊びが、『ガンダムセンチュリー』だったんです。
 掲載された設定では、絵だけじゃなく文章も書いていて、相当関わっていますね。燃料や推進剤のタンクを付けるアイディアとか、整備するときにブロックごとするのは嫌だからハッチを開けるとか。AMBACの概念もそうです。モビルスーツに手足が付いている意味を考えたとき、宇宙空間で姿勢制御をする際に作用反作用で推進剤を使わなくても済むっていうアイディアを出して。NASAさんの宇宙飛行士が宇宙空間で自分の姿勢を変えるとき、体操みたいに手を動かして反動を使うっていうことを知っていたから、その原理を使えばいいと思って。宇宙では、推進剤の節約はすごく重要なんです。それから、ミノフスキークラフトを考えて、どうやっても飛ぶわけがないホワイトベースを浮かせるようにしたり。テレビシリーズのオンエア中にも、ソーラ・レイのアイディアを考えて使っていただいたりしました。
 『0083』は、「今回はリアルにやろう」ってコンセプトだったんで、それなら走るシーンはなんとかしたかった。せめて姿勢を低くして、重心はぶらさないように。でもそれは許可がでなかった。撃たれたら困るから、塹壕に隠れて銃だけ上げて使う案も出しました。せっかくビームライフルに照準器が付いているんだから、そのほうが合理的なはずだから。でもNGだった。結局、『ガンダム』という作品には重い枷があって、それをリアルで超えることはできないんですよ。

リアルという言葉の呪縛

 それからリアルっていう言葉を、慎重に使うようになった気がします。『マクロス』はあくまで「リアルっぽい」ものであって、リアルではない。いまどき、あんな空中戦をやるわけがないけど、爽快感重視のシミュレーターとして演出しているからやるんです。
 まぁ太平洋戦争当時の日本が、航空戦力が優位とわかっていながら、大鑑巨砲主義に逆戻りして戦艦大和を作って失敗してしまう……、みたいな感覚に近いです。もそもそ宮武さんたちのデザインしていたパワードスーツが、転用されてモビルスーツになっていったわけですけど、おもちゃ化のために変質したデザインが、歴史とともにリアルの主流と錯覚されていくというのも不気味ですよね。
 大学1、2年のころだったかな。仲間内で話していたのが、「ガンダムはリアルなわけがない。でもロボットプロレスが戦争ごっこを非常にうまくやっているのが面白い。それでいいじゃないか」っていうことです。兵器としてはリアリティのかけらもない巨大二足歩行ロボットが、第一次大戦よりももっと古い戦法で、戦国時代の合戦のような戦いをしるのが面白いんです。そこでリアルっていう言葉を使いさえしなければ、圧倒的な作品の魅力といえるんですよね。それがどこかでなにかを間違えて、メカのファンの何割かまでリアルだと錯覚してしまった。
 だいたい初代ガンダムのころは、脚本の松崎(健一)さんも、もちろん富野さんも、「ザクはいいけど、ガンダムさえ出なければもっといい作品になるのに」と言いながら作られていたわけですしね。
 そもそも『ガンダムセンチュリー』は、『ガンダム』の辻褄を合わせる遊びとして始めたんです。「設定なんか後で作ればいい」っていうスタンス。作品は自由に作って、後で辻褄併せて、その世界観の中だけで通用するものを導き出す遊びです。それがまさか公式になるとは思っていなかったし、残るなんて思っていなかったです。だから『マクロス』でも、いまだに「正史はどれですか?」って言われると、「ありません」としか言いようがない(笑)。提示されるものを盲目的に信じてしまうのは、原発安全神話と似た集団催眠的な怖さを感じますね。設定は物語を面白くするためのものだし、たとえシリーズでも作品が変われば設定も変わっていいはずなのに、その固定観念を変えるのが本当に難しい。 
 『0083』は「初代ガンダムの雰囲気を再現したい」って言われれば、それで構わなかったんですよ。自分も作品としての初代ガンダムは大好きだし。それなら立って走っても決して文句は言わない。そこで「ガンダム世界におけるリアリティですよね?」って聞いても、「いや本当のリアルです」ってこたえられるから、混乱してしまったんです。


※1 巻末によると、題名は『パラレルワールド』となっており、「85年に中国取材へ行くきっかけとなった遊牧民ロボットもの。本企画では、戦車と攻撃機が合体してロボットになる試作も作られていた。かなり凝った試作であり、VF-1バルキリー企画時と同様のプロセスを経て、世に出る可能性があった。」という内容。

※2 河森氏が手がけたアニメ映画企画で、プロジェクト展開が発表されたが製、その後作中止となった


南雅彦 - Wikipedia
Gガンダム、カウボーイビバップのプロデューサー
植田益朗 - Wikipedia
ガンダムIII めぐりあい宇宙、0083、Gガンダム、Vガンダムのプロデューサー


約300ページもあり、ボリュームたっぷりです。河森氏について詳しく、全く知らなくても楽しめるでしょう。
マクロスのことが多いのはもちろんですが、旅の話やスペシャル対談もとても興味深いです。
ざっと見たときにはあまり面白いと感じませんでしたが、しっかりと読んでみると濃い内容の本でした。




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