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イデオンについて富野由悠季監督も直接説明.合体のアオシマ?いいえ、流用のイデオンです



『SDガンダムトイクロニクル1988-2015 ~元祖SD-SDX編~』が発売されましたねー

トイクロニクルを探しに書店に寄ってみると,同じエリアでついでにこんな本を見付けました.



『アウトサイダー・プラモデル・アート 青島文化教材社の異常な想像力』!!
表紙のインパクトがすごい!なんだこれは?と引き付けられる表紙です.

表紙がダサカッコ良かったので,中身を見たらアオシマ歴代のロボットプラモが載っていました!

今回は,アオシマのプラモデルのお話です.
内容は,アオシマ,アウトサイダー・プラモデル・アートの内容で,
イデオン,ザンボット,ダイターン,流用,ガンプラ,富野由悠季監督,大河原邦男氏についてです.

SDガンダムトイクロニクルなど,SDガンダムについてはまた別の機会に(笑)





■アオシマとは?

そもそもアオシマとは何?と思うかもしれませんし,私もアオシマのことをよく知りません(笑)


ガンダムのプラモデルの製造元はバンダイです.
ガンプラしか作らない私は,アオシマは名前しか知りません.

ガンプラのバンダイと同じく,アオシマも模型会社です.
この記事でアオシマについては「模型会社」ぐらいの認識でOKだと思います.

会社情報|株式会社 青島文化教材社

事業内容
プラスチックモデル、トイホビー等の企画・製造・販売
教材・教具・幼児雑貨等の企画・製造・販売
OEM事業



青島文化教材社 - Wikipedia



現在のアオシマは,フィギュアまで作っているため,ロボットアニメのプラモデルの印象はありませんでした(笑)















■『アウトサイダー・プラモデル・アート』

アオシマから本題の書籍の話へ戻ります.


内容紹介
腕だけ、脚だけ、頭だけ……。こんな造型のプラモデルって、アリなのか!?
子供にとってプラモデルが“おもちゃの王様"だった、
そしてキャラクタービジネスが今よりも大らかだった、70年後半から80年代。
ほとばしる創意工夫と、どうかしてる想像力で、あらゆるロボットを、
腕だけ足だけ頭だけのバラバラのプラモデルに仕立てた会社、アオシマ文化教材社。
極めて野心的で創造性の高いこのメーカーが生みだした、
異形にして、圧倒的にクールなプラモデルを一挙紹介!
合体合体また合体! 模型屋の一角で狂い咲いた「創造力の結晶」に刮目せよ!

内容(「BOOK」データベースより)
子供にとってプラモデルが“おもちゃの王様”だった、そしてキャラクタービジネスが今よりも大らかだった、70年後半から80年代。ほとばしる創意工夫と、どうかしてる想像力で、あらゆるロボットを、腕だけ足だけ頭だけのバラバラのプラモに仕立てた会社、アオシマ文化教材社。極めて野心的で創造性の高いこのメーカーが生みだした、異形にして、圧倒的にクールなプラモデルを一挙紹介!そのひとつひとつが、創造力を司る前頭葉を、直接刺激する!



載っていたのは,主に「ミニ合体シリーズ」と呼ばれるものです.



・イデオン


作品の順番ではなく,商品化順だったため,イデオンが私が知ってる一番最初の機体でした.


ご存知の通り,イデオンは合体メカで,
アオシマのミニ合体シリーズからは,全てパーツごとに販売しています.
写真つきでイデオンの紹介ページを見ました.

イデオン・デルタ   
イデオン・ノバ     
イデオン・バスタ   
イデオン・クロッサス 



イデオン・クロッサス????

伝説巨神イデオン ミニ合体ロボ33〜36号 プラモデル販売買取タイムボックス

P1130658.jpg




そんなイデオンメカあったか??と不思議だらだったのですが,
解説を読んで理解しました.


        (略)

腕部,胴体,脚部を担当する3体のマシンが合体するという設定だったため,比較的設定に近いイメージでキット化することに成功しているが,「ロボットを4分割する」というミニ合体シリーズのフォーマットゆえに,やはりオリジナルの生首マシンが誕生することになってしまった.
しかも頭部が乗っかるメカは,主人公たちを追放した地球軍の戦闘機「カービアン・クロッサス」というから,原作ファンはビックリである.また,なぜか太ももが白いのもミニ「イデオン」ならではの特徴である.
このオリジナリティこそが,アオシマのアオシマたるゆえんであり,魅力でもある.
ちなみにガンプラ人気爆発後の81年には,原作の設定に忠実な「イデオン」のスケールモデルシリーズも続々と発売されるようになる.
キャラクターモデル事情の転換を象徴するキットとも言えるのではないだろうか.



これがイデの無限力(ちから)ならぬ,アオシマ力(ちから)なのか…!と思いました.

そもそも,アニメのイデオンを〝原作〟と呼ぶ事から違和感だらけですが,面白い模型アレンジです(笑)
後ろでインタビューも紹介しますが,
公式な企業からオリジナル商品を出すことができる自由な時代だったのですね.

そういえば,ガンダムでも,RX-78-2ガンダムの超合金「機動戦士ガンダムDX合体セット」は有名ですね(笑)




・ザンボット3


サンボットの紹介ページでも

ザンファイター
ザンキャノン
ザンベース
フォートビアル

4つ目の「フォートビアル」なるものがありました.

前にイデオンを見たので,お分かりかと思いますが,こちらもオリジナルです(笑)


1977年放送のアニメ『無敵超人ザンボット3』の主役ロボットだが,いきなりこのタイミング(*1981年)でキット化された.
原作では3体のマシンが変形合体するザンボット3だが,例によって原作無視のミニ合体オリジナルの合体となっている.
で,問題の頭部は「イデオン」同様劇中のマシンの強引にくっつける形で処理されているのだが,そのマシンというのがザンボット3の変形合体する各マシンを格納する移動要塞・キングビアルというからややこしい(本当はちょっとデザインが違うんだけど).
とはいえ,合体形態そのもののプロポーションは優秀だ.

(略)





神ファミリーと逝く、アオシマ ミニ合体 ザンボット3 ( 事件 ) - ザ・ファイナル玩具‐最終玩具研究報告‐ - Yahoo!ブログ

img_2.jpg




こちらが〝本物〟のキングビアルです(笑)
コスモフリートコレクション グランメカニクス キングビアル/ザンボット3

01c.jpg







・ダイターン3

最後にダイターンです.

ダイタンク
ダイウェブ
ダイファイター
マッハアタッカー



?????

無敵鋼人ダイターン3 ミニ合体ロボ41〜44号 プラモデル販売買取タイムボックス

P1130665.jpg




生首には慣れましたが,今度は劇中のアニメとは全く関係ない「ダイウェブ」という変形が出てきました…(汗)
さて解説を読んでみましょう…

原作では,ロボット,戦闘機,戦車に3段変形するギミックが売りだったが,もちろんミニ合体シリーズでは4つのパーツが合体するギミックになっている.
ダイファイター,ダイタンクは元ネタの意匠を可能な限り取り込んだデザインとなっているが,他の2機は独自のフォルムを持つ.
特にマッハアタッカーは波嵐万丈が乗り込む同名の戦闘機に,ダイターン3の頭部が乗っかるというアオシマ伝統のパターンとなってる.
原作に登場する別マシンに,ロボットの頭をくっつけるという新たなフォーマットを確立したこの時期のミニ合体シリーズは,毎回,原作を知るファンであればあるほど何とも言えない気持ちにさせてくれたものである.




ダイターンには、アニメにはない変形機構が組み込まれていました(笑)

マッハアタッカーは、同じ名前ですが、別物のアオシマ版マッハかです


それでは,アオシマ流の変形ではなく,正しい変形を見ましょう(笑)

[あみブロ] 再びカムヒア!バンダイ「超合金魂 GX-65 無敵鋼人ダイターン3 リニューアルカラー」製品サンプルレビュー
FIGURE-004024.jpg






・流用


他の機体は知らないので、ページパラパラ捲っていると見たことあるロボットを見付けました。


NEOミニ合体バトロス(198?/アオシマ) ブロースラッシュ・グロスター・トライデント・ジェルフォン - ザ・ファイナル玩具‐最終玩具研究報告‐ - Yahoo!ブログ

img_1 (1)




デザインがイデオン…?!
解説をよく読むと、金型の使い回しと書いてありました。

NEOミニ合体 バトロス
『伝説巨神イデオン』の成形色変え・金型一部変更キット.
(略)
全体的にくすんだ印象になってしまったため,イデオンのようなヒーロー性が失われてしまった感がある.



一回だけならまだしも、何回も使われてて笑いました(笑)

BUILDMANミニ合体 ザイラ
「BUILDMAN」第2弾の「ザイラ」は,ご覧の通り「伝説巨神イデオン」のリデコキットだ.



アオシマ プラモデル BUILDMAN(ビルドマン)【ミニ合体ザイラ 5~8号セット】未組立、箱イタミ - まんだらけ 通信販売




BBガンボット シュナイデン

アオシマ文化教材 BBガンボット NO.4 シュナイデン プラモデル *未組立 箱イタミ - まんだらけ 通信販売
954.jpg





そして、イデオンだけではなく、ザンボットやダイターンの流用も(笑)!


NEOミニ合体Ⅱ デスファイター
「無敵超人ザンボット3」の再販キット.
箱や名称は変更されたが,金型はおろか成形色までもが「ザンボット」のまんまである.





NEOミニ合体Ⅱ サイキックス
「無敵超人ダイターン3」の再販キット.
「デスファイター」と同じく,箱と名称のみが変更されており,キット自体はそのまま.





・インタビュー



この本は、2/3は商品の紹介、1/3は解説とインタビューでした。


解説は、ロボットアニメとプラモの関係の歴史が書いてあり、そちらも興味深かったです。

80年代の昭和を知ることができる貴重なお話でした


インタビューでは、青嶋正夫氏と堀井康吉氏のお話がありました。
アオシマでは,第1課の部署で「合体」「ミニ合体」を作っており,青嶋氏と堀井氏もその第1課でした.
アオシマは、ロボットアニメの合体ブームに先駆けて、「合体」の商標を初めて取ったそうです。

ガンプラの影響とイデオンについて触れられていました。
富野監督の話もありました。
ガンプラ,プラモデル,イデオンのキット化についてアニメ側からは聞けない貴重で興味深い話でした.

―80年代に入ると,再び合体ロボットの時代に突入していきます.
「トライダーG7」「イデオン」など日本サンライズ作品のロボットが,たくさんキット化されました.

堀井
「トライダー」には前日談があって,まず玩具部門で「ガンダム」のメインスポンサーだったクローバーさんが,
「合体」の商標を「ガンダム」の玩具につけて売りたいということで相談にきたんです.
その時に「プラモデル出しませんか?」という話もあったんですが,
確かあと数話で終わるというタイミングだったので,
後番組の「トライダーG7」で一緒に組んで模型と玩具を分業して商品化しましょうという話になったんです.

―えっ!じゃあその時に「プラモ化」の話を断ってなければ,
もしかしたらガンプラはバンダイじゃなくて,アオシマのミニ合体で出ていた可能性もあったということですか?
もし,この企画が実現していたら…….

堀井
ガンダムを分解していました.




―それから「イデオン」を経て,「ザンボット3」,「ダイターン3」が登場するわけですが,
この2作品はすでにアニメの放送が終わって数年経っている時期ですよね.ここに過去の作品がきたのはなぜでしょうか?

堀井
それはもう誰も手を付けてくれないので,版権が宙に浮いていたからです.
要するに誰でも商品化できる状態だったんです.

―「ガンプラ」が出て以降,キャラクターものプラモの潮流がアニメの設定に忠実じゃないといけないという風に変わってきた.

堀井
そうです.ですからイデオンは大変でした.
ガンプラみたいに「イデオン」キットも1/144で統一しろっていう問屋さんの意見も多かったんですが,
「イデオン」に出てくるメカって,色々なサイズじゃないですか.なかなかスケールを統一できないんですよ,

―ロボットの大きさが18mで統一されていた「ガンダム」と違って,
イデオンは100mだし,敵側の重機動メカは40mとか150mとか全部違いましたからね.

堀井
戦艦のバイラル・ジンなんて1km超えてましたからね(笑)ですから,
はなからスケールをそろえるなんて無理な話なんです,設定は我々は変えられませんから.
ただ富野由悠季監督もイデオンのプラモデルにはこだわっていらっしゃって,
「イデオンは戦艦なんだ」「本当は腕のところにデッキに昇るためのチェーンがあるんだ」
と説明してくださったことを覚えています.
ぜひそうしてほしいという依頼があったんですけど,
それをやったら何分の一になっていたんでしょうね.






最後には、大河原邦男氏のインタビューがありました。
当時 、アオシマとは特に接触はなかったそうです。

デザインしたメカがどう玩具にアレンジされているかについては,全く気にしてませんでした.

ただ,アニメには出てこない武器セットを付けるとか,そのぐらいなら
他の玩具メーカーさんからも出ていたと思いますが,
アオシマさんの合体プラモデルほど(設定を無視したプラモデル)は,なかなかでないでしょうね(笑)

あくまで私の仕事は,アニメ制作現場と玩具屋さんの橋渡しだと思っています.




アオシマ独自の合体変形は、アニメファンとして違和感もありますが、
アオシマ流のアレンジは面白いと思えてきました。
見慣れていない変形パターンやとってつけたような生首だけのパーツ新鮮で、
この変形パターンが本当にあったら面白いでしょう。

しかし、現在に昔のアオシマ流アレンジは、制作、視聴者の両方から無理ですね(笑)

昔のコレクションと模型の歴史を知ることができ、非常に興味深い書籍でした。






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