ガンダムビルドファイターズ1話、全セリフ
ガンダムBF1話「セイとレイジ」の全セリフです。字幕を参考にしました。
オペレーター男「最終防衛ライン突破されました!」
アルビンオペレーター女「ガンダム発進!ガンダム発進!」
アルビオン艦長「頼んだぞ、イオリ」
セイ「大丈夫ですよ。イオリ・セイ、ビルドストライク、行きます!」
「ザクが来る。それでも僕が作ったガンダムなら!」
タケシ「セイ!それではダメだ!」
セイ「その声父さん?どうして父さんが?」
タケシ「セイ!お前が作ったそのガンプラは…、腕が、ちゃんとはまっていないんだ!」
セイ「な、なんで?!あ、あ、あっ…」
セイ「うわ~っ!いてっ、いてて…、夢か。はっ、ガンプラ!はっ?ふっ?はあ?そうか、右腕作る前に寝ちゃったのか」
リン子「セイ!店番代わって~!」
セイ「はぁ~い!」
リン子「イオリ・リン子大佐、補給物資調達のためゼロハチスーパーへ向かいます」
セイ「補給物資はすき焼きですか?」
リン子「野菜炒めです!」
セイ「えぇぇー?」
リン子「あら~?母さんの野菜炒めが世界一おいしいって言ったのは、セイじゃな~い?」
セイ「それは、そうだけど…」
リン子「じゃあ、よろしくね!」
セイ「お客さんっていったって…駅前にあるわけでなく、商店街に近いわけでもなく、なんで父さん、ここにプラモ屋なんてつくったんだろう…」
レイジ「ハハハ!何度来てもすっげぇな!ここから見える建物すべてに人が住んでるんってんだから。アリアンの何倍あるんだか」
警備員「こら~!そこで何をしている!危ないから下りてきなさ!」
レイジ「大丈夫だって、おっさん!」
警備員「誰が、おっさんだ!私は、まだ25歳だ!いいから下りなさい、下りるんだ!」
レイジ「よし、行き先決まった!」
セイ「あ、いらっしゃいませ!」
子供(ケイスケ)「うわ~っ!ガンダムだ!ガンダムがいっぱい!すっご~い!」
父親「へぇ~、よくできてるな」
セイ「ありがとうございます!それ展示用に、僕が作ったんです」
父親「ここにあるの全部?」
セイ「はい」
父親「すごいな~、キミ」
セイ「いや~」
父親「これだけ作れるってことは、もちろん、ガンプラバトルもしてるんでしょ?」
セイ「ま、まぁ、一応」
父親「きっと強いんだろうな。あっ、「第2回 ガンプラバトル選手権世界大会準優勝」!すごいじゃない!」
セイ「あの…、それは僕の父さんが…」
子供「ねぇ、パパこのガンプラは何?」
父親「う~ん、なんだったかな?」
セイ「ウイングガンダムです!特徴は、高速飛行できるバード形態への変形機能。大口径のバスターライフルも装備!火力と機動性、両方に優れた機体です!ちなみにウイングガンダムは、地球圏統一連合に反抗地下組織が開発したモビルスーツで、開発者は、ドクターJ(ジェイ)。オペレーションメテオの発動によって地球降下作戦の…」
父親「も、もう、わかったから…」
セイ「あっ、す、すみません…」
子供「へへへっ」
父親「ケイスケ、あのガンプラにするか?」
子供「うん!」
父親「あのお兄ちゃんみたいなガンプラが作れれば、バトルの勝利も間違いなしだ」
サザキ「お客さ~ん、それはいかがなものかと思いますよ」
セイ「ゲゲッ!」
父親「誰だい?」
セイ「サザキ…」
サザキ「イオリ・セイの作るガンプラは、確かに出来がいい。プラモをただ組み立てるだけでなく、パーツの合わせ目を消し、専門塗料で着色。商品見本と見間違えるぐらいの出来栄えです。しかし、出来のいい作品だから、ガンプラバトルに勝てるわけではりません。だよね?」
セイ「そ、そんなこと…」
サザキ「だったら試してみようじゃないか。キミのガンプラと僕のガンプラ、どちらが優れているか。ガンプラバトルで!」
父親「おぉ!」
子供「見たい、見たい!」
セイ「えっ!?」
サザキ「ほら、お客さんも、こう言ってくれてるよ。逃げる気かい?」
セイ「やるよ、ガンプラバトル」
サザキ「そうこなくっちゃ」
システム音声「プリーズ、セットユアーGPベース。ビギニング、プラフスキーパーティクルディスパーサル。フィールドスリー、フォレスト。プリーズ、セットユアーガンプラ。バトルスタート。」
セイ「イオリ・セイ、ウイングガンダム、行きます!」
「あっ!」
サザキ「今回も教えてあげるよ。プラモの出来栄えが、ガンプラバトルに勝つための絶対条件ではないということを!」
セイ「間合いを!」
サザキ「させない!」
セイ「あぁ、うう…、くそっ!」
サザキ「相変わらず反応速度が遅い!」
システム音声「バトル、エンディッド」
子供「うわぁ!すっご~い!お兄ちゃんのガンプラ、すっごく強いね!」
サザキ「そう、強いものが勝つ!それがガンプラバトルの唯一無二の掟だ!」
子供「お父さん、僕あのお兄ちゃんと同じやつが欲しい!」
父親「そうか、なら、そうするか!」
セイ「はぁ…」
「ありがとうがざいました」
サザキ「これで分かったはずだよ。キミの操縦技術じゃガンプラバトルには勝てない。だからさ、僕と組もうよ。キミの作った高性能のガンプラで僕が戦う。2人で選手権に出れば、勝利と栄誉が手に入る。この、さえない店の売り上げだって…」
セイ「断るよ」
サザキ「えっ?」
セイ「何度も答えただろ?キミは強いけど、戦い方が乱暴だ。僕のガンプラを預ける気にはなれない。」
サザキ「やせ我慢だね。選手権は間近に迫っている。このままでは、キミの敗北は必至。勝ちたいならよく考えておくことだ」
セイ「(悔しい…、僕にもっと操縦技術があれば…。そう、父さんのように…)」
大会実況「オイリ・タケシ選手、これでトップポイントに立った!」
セイ「(あんなふうにガンプラを動かせたら…)」
リン子「セイ」
セイ「母さん」
リン子「どうかしたの?」
セイ「ううん、なんでもない。ちょっと出かけてくるね」
リン子「セイ?何があったのかしら、あの子…」
セイ「(勝ちたい…。僕の作品で、僕が求める理想の動きで、ガンプラバトルに勝ちたい)」
告知「第7回ガンプラバトル選手権、まもなく開催!キミは生き延びることができるか」
セイ「(無理!)あ~、みんな超強そう!このままじゃ、選手権に出てもサザキの言うとおり…。でも、だからって、あんなふうにガンプラを扱う奴と組むのは絶対嫌だ」
「どうにかして、ガンプラバトルに勝てる方法を考えないと…」
レイジ「なぁ」
セイ「えっ!?な、なに?」
レイジ「あそこに流れている映像、あれなんなんだ?」
セイ「えっ!?ガンプラバトル知らないの?」
レイジ「なんだ、それ?」
セイ「ガンダムのプラモデル。通称ガンプラを作って対戦するんだ。その大会の告知映像だよ」
レイジ「対戦…。要するに武闘大会みたいなもんか?」
セイ「まぁ、そうとも言えるかな。(この人、よく見ると日本人じゃない。でも、外国人でもガンプラバトルのこと知らないなんて…)」
「あ…」
レイジ「食うか?うまいぞ」
セイ「いや、僕は…」
レイジ「そう、じゃあな」
パン屋「見つけたぞ、泥棒小僧!」
セイ「えっ!?」
レイジ「おいおい、人をいきなり泥棒呼ばわりすんなよ!」
パン屋「何を言う!うちの店からパンを盗んだくせに」
レイジ「これか?これは、店の外に捨ててあったから持ってきただけだ」
パン屋「店頭販売なの!勝手に持っていかれれちゃ困るんだよ!
レイジ「だったら奥にしまっとけよ」
パン屋「盗人猛々しいとはまさにこのこと、来い!警察に突き出してやる!」
レイジ「なに!?」
セイ「ちょ…、ちょっと待ってください!」
パン屋「キミは、イオリさん家の…」
セイ「あの、悪気があってやったわけじゃないみたいだし、今回は僕が立て替えますから」
セイ「飲む?」
レイジ「ありがとう。ペッ、何だこれ、口ん中が、シュワってしたぞ!」
セイ「え?炭酸飲んだことないの?」
レイジ「けど、うまいなこれ。クハー!すっげぇ!スカってするわ」
「迷惑かけたみたいだな」
セイ「まぁ、しかたないよ。キミ、外国から来たばっかで、日本のことよくわからないんでしょ?困ったときはお互い様だよ」
レイジ「この恩は必ず返す、絶対だ」
セイ「いいよ、別に」
レイジ「そうはいかない。一族の沽券に関わる。名誉が傷つく」
セイ「(なんだか仰々しいなぁ)」
レイジ「これやるよ」
セイ「何?宝石!?ダメだよ、そんな高価なもの」
レイジ「ただの石ころだよ。」
「えっとお前…」
セイ「セイ。イオリ・セイ」
レイジ「俺はレイジだ」
セイ「レイジ」
レイジ「セイ、困ったことがあったらその石に祈れ。どんなときでも、どんな状況でも、この俺が駆けつける。どんな困難でも、俺が打開する。これは約束であり、俺の宣誓だ」
セイ「なっ、なんかすごいね、まるでヒーローみた…、あ…あれ、どこに?」
チナ「きれいね。きれいね、その宝石」
セイ「ただの石ころなんだって、バカバカしいよね」
チナ「何が?」
セイ「よし。母さん、出来たよ!ガンプラバトル選手権用に作った僕だけのガンプラ、ビルドストライク。ストライクガンダムをベースに改造した、僕だけのオリジナルなんだ」
リン子「へぇ、すてきじゃない。」
セイ「ライフルとかは、まだなんだけどね」
リン子「母さんは、セイほどガンプラに詳しくないけど、父さんが作ったプラモデルと、どことなく雰囲気似てるわね」
セイ「そうかな?」
リン子「うん」
サザキ「ついに出来上がったようだね」
セイ「サザキ」
リン子「いらっしゃい、サザキ君」
セイ「わっ」
サザキ「なるほど、これが選手権用の新型か。すばらしい出来だよ。僕が操るにふさわしい」
セイ「そのガンプラは、キミのじゃない」
サザキ「おいおい、まだ分からないのかい?キミの操縦ではバトルに勝てないってことを」
セイ「なら、そのバトルで証明するよ。僕の作った、そのガンプラで」
サザキ「いい気合いだ、つまりキミが負けた場合は…」
セイ「そのガンプラを好きにしていいよ」
サザキ「その言葉を待っていた!」
リン子「いいの?セイ」
セイ「いいんだ。ここで負けるくらいなら、もう」
ラル「事情は聞かせてもらった。そのバトル、不肖、このラルがジャッジを引き受けよう」
セイ「来てたんだ」
サザキ「誰?」
セイ「うちの常連のラルさん」
サザキ「うおっ」
ラル「ほう、いい目をしているな。自信と野心に彩られた目だ、度胸もある。しかし、戦場に絶対はないぞ、少年」
リン子「いらっしゃい、ラルさん」
ラル「うん?リ、リン子さん、おじゃましております」
システム音声「フィールドトゥーデザート」
ラル「キミたちの真剣勝負、刮目させてもらおう」
システム音声「プリーズ、セットユアーガンプラ。バトルスタート。」
セイ「イオリ・セイ、ビルドストライク、行きます!」
サザキ「サザキ・ススム、ギャン、出る!」
セイ「さぁ、どう来る?え?」
リン子「武器を落とした」
ラル「対等の条件で戦うという意志の現れ」
サザキ「違いますよ」
リン子・ラル「え?」
サザキ「負けた後で難癖つけられては、たまりませんから!」
「速い!」
ラル「ガンプラの性能は、その出来栄えによって左右される。さすがは、セイ君の新型。しかし、高すぎる機体性能に振り回されている」
セイ「うわっ、わわ…」
サザキ「高性能な機体を作っても、満足に操縦することもできない。悲しい現実だ!」
リン子「あっ」
サザキ「これ以上、機体を痛めつけたくはない。場外に出して勝負を決める!」
セイ「(逃げられない、父さんだったらどうする?また負ける、まだ何もしてないのに。負けたくない、もう負けたくない。チクショウ!)」
レイジ「諦めるな!前に出ろ!」
サザキ「何?」
セイ「レイジ、どうして?」
レイジ「お前が祈ったんだ、だから俺は来た」
セイ「え?」
レイジ「セイ、約束は守るぜ。お前の代わりに俺が戦う」
セイ「えっ、でもやったことないんでしょ?」
レイジ「俺に任せろ!」
セイ「僕のガンプラに何させてんの!やめてよぉ」
リン子「お友達かしら」
ラル「さぁ?」
サザキ「ゆ、許せないなぁ、セイ君。ド素人に、その機体を預けるなんて。それは…、そのガンプラは、僕のものなのに!!」
レイジ「よ~し、だいたいわかった!」
サザキ「なめるな!チッ!」
ラル「(初めてのガンプラであのマニューバ…。あの初年、ニュータイプとでもいうのか)」
サザキ「認めない、こんなこと。僕は認めない!」
レイジ「セイ、何か武器は?」
セイ「3番目のスロット。ビームサーベル!」
レイジ「こいつか!」
セイ「あの動き、父さんの…。僕が求めていた、理想の…」
サザキ「なんだ?何なんだ、お前は!」
レイジ「これで終わりだ!」
システム音声「バトル、エンディッド」
セイ「勝った…。僕のガンプラが」
サザキ「こ、この僕が負けるなんて…」
ラル「見事な勝利だった」
リン子「やったわね、セイ」
セイ「僕じゃないよ。僕のガンプラを勝たせてくれたのは…」
リン子「あの子どこに?」
セイ「レイジ!」
リン子「セイ」
セイ「(やっと会えた!)」
レイジ「(どんなときでもどんな状況でも、この俺が駆けつける)」
セイ「(僕のガンプラを、一番うまく操れるファイターに!)」
レイジ「(どんな困難でも俺が打開する)」
セイ「(僕の理想を、体現してくれる奴に!)」
レイジ「(これは約束であり、俺の宣誓だ!)」
セイ「(レイジ…、必ず会いにいくから。一緒にガンプラバトルをやろう。キミと一緒に戦いたいんだ!)」
「ただいま。母さん、遅くなってごめ…。ズコー」
レイジ「お、おかえり」
リン子「おかえり、セイ」
セイ「ど、どういうことだよ!?レイジ」
レイジ「何言ってんだよ、セイ」
セイ「ん?」
レイジ「お前が祈ったんだろ?」
次回予告
セイ「レイジが学校に?!」
レイジ「バトルするぞ、セイ」
セイ「え~!?」
次回「紅の彗星」
セイ「僕は学園生活を生き延びることができるか?」
約5000文字、3時間以上と予想以上に時間がかかりました…。
たった約30分のアニメでも、言葉にしてみると非常に長いのが驚きです。
全セリフを毎週やろうと思っていたのですが、ここまで大変だとは想像していなかったので、2話以降は期待しないでください。
しかし、反響は大きければ、2話以降もやるかもしれませんが…(苦笑)。
富野監督のGレコもやる気満々でしたが、一つやってみて少し気が変わりました…。
オペレーター男「最終防衛ライン突破されました!」
アルビンオペレーター女「ガンダム発進!ガンダム発進!」
アルビオン艦長「頼んだぞ、イオリ」
セイ「大丈夫ですよ。イオリ・セイ、ビルドストライク、行きます!」
「ザクが来る。それでも僕が作ったガンダムなら!」
タケシ「セイ!それではダメだ!」
セイ「その声父さん?どうして父さんが?」
タケシ「セイ!お前が作ったそのガンプラは…、腕が、ちゃんとはまっていないんだ!」
セイ「な、なんで?!あ、あ、あっ…」
セイ「うわ~っ!いてっ、いてて…、夢か。はっ、ガンプラ!はっ?ふっ?はあ?そうか、右腕作る前に寝ちゃったのか」
リン子「セイ!店番代わって~!」
セイ「はぁ~い!」
リン子「イオリ・リン子大佐、補給物資調達のためゼロハチスーパーへ向かいます」
セイ「補給物資はすき焼きですか?」
リン子「野菜炒めです!」
セイ「えぇぇー?」
リン子「あら~?母さんの野菜炒めが世界一おいしいって言ったのは、セイじゃな~い?」
セイ「それは、そうだけど…」
リン子「じゃあ、よろしくね!」
セイ「お客さんっていったって…駅前にあるわけでなく、商店街に近いわけでもなく、なんで父さん、ここにプラモ屋なんてつくったんだろう…」
レイジ「ハハハ!何度来てもすっげぇな!ここから見える建物すべてに人が住んでるんってんだから。アリアンの何倍あるんだか」
警備員「こら~!そこで何をしている!危ないから下りてきなさ!」
レイジ「大丈夫だって、おっさん!」
警備員「誰が、おっさんだ!私は、まだ25歳だ!いいから下りなさい、下りるんだ!」
レイジ「よし、行き先決まった!」
セイ「あ、いらっしゃいませ!」
子供(ケイスケ)「うわ~っ!ガンダムだ!ガンダムがいっぱい!すっご~い!」
父親「へぇ~、よくできてるな」
セイ「ありがとうございます!それ展示用に、僕が作ったんです」
父親「ここにあるの全部?」
セイ「はい」
父親「すごいな~、キミ」
セイ「いや~」
父親「これだけ作れるってことは、もちろん、ガンプラバトルもしてるんでしょ?」
セイ「ま、まぁ、一応」
父親「きっと強いんだろうな。あっ、「第2回 ガンプラバトル選手権世界大会準優勝」!すごいじゃない!」
セイ「あの…、それは僕の父さんが…」
子供「ねぇ、パパこのガンプラは何?」
父親「う~ん、なんだったかな?」
セイ「ウイングガンダムです!特徴は、高速飛行できるバード形態への変形機能。大口径のバスターライフルも装備!火力と機動性、両方に優れた機体です!ちなみにウイングガンダムは、地球圏統一連合に反抗地下組織が開発したモビルスーツで、開発者は、ドクターJ(ジェイ)。オペレーションメテオの発動によって地球降下作戦の…」
父親「も、もう、わかったから…」
セイ「あっ、す、すみません…」
子供「へへへっ」
父親「ケイスケ、あのガンプラにするか?」
子供「うん!」
父親「あのお兄ちゃんみたいなガンプラが作れれば、バトルの勝利も間違いなしだ」
サザキ「お客さ~ん、それはいかがなものかと思いますよ」
セイ「ゲゲッ!」
父親「誰だい?」
セイ「サザキ…」
サザキ「イオリ・セイの作るガンプラは、確かに出来がいい。プラモをただ組み立てるだけでなく、パーツの合わせ目を消し、専門塗料で着色。商品見本と見間違えるぐらいの出来栄えです。しかし、出来のいい作品だから、ガンプラバトルに勝てるわけではりません。だよね?」
セイ「そ、そんなこと…」
サザキ「だったら試してみようじゃないか。キミのガンプラと僕のガンプラ、どちらが優れているか。ガンプラバトルで!」
父親「おぉ!」
子供「見たい、見たい!」
セイ「えっ!?」
サザキ「ほら、お客さんも、こう言ってくれてるよ。逃げる気かい?」
セイ「やるよ、ガンプラバトル」
サザキ「そうこなくっちゃ」
システム音声「プリーズ、セットユアーGPベース。ビギニング、プラフスキーパーティクルディスパーサル。フィールドスリー、フォレスト。プリーズ、セットユアーガンプラ。バトルスタート。」
セイ「イオリ・セイ、ウイングガンダム、行きます!」
「あっ!」
サザキ「今回も教えてあげるよ。プラモの出来栄えが、ガンプラバトルに勝つための絶対条件ではないということを!」
セイ「間合いを!」
サザキ「させない!」
セイ「あぁ、うう…、くそっ!」
サザキ「相変わらず反応速度が遅い!」
システム音声「バトル、エンディッド」
子供「うわぁ!すっご~い!お兄ちゃんのガンプラ、すっごく強いね!」
サザキ「そう、強いものが勝つ!それがガンプラバトルの唯一無二の掟だ!」
子供「お父さん、僕あのお兄ちゃんと同じやつが欲しい!」
父親「そうか、なら、そうするか!」
セイ「はぁ…」
「ありがとうがざいました」
サザキ「これで分かったはずだよ。キミの操縦技術じゃガンプラバトルには勝てない。だからさ、僕と組もうよ。キミの作った高性能のガンプラで僕が戦う。2人で選手権に出れば、勝利と栄誉が手に入る。この、さえない店の売り上げだって…」
セイ「断るよ」
サザキ「えっ?」
セイ「何度も答えただろ?キミは強いけど、戦い方が乱暴だ。僕のガンプラを預ける気にはなれない。」
サザキ「やせ我慢だね。選手権は間近に迫っている。このままでは、キミの敗北は必至。勝ちたいならよく考えておくことだ」
セイ「(悔しい…、僕にもっと操縦技術があれば…。そう、父さんのように…)」
大会実況「オイリ・タケシ選手、これでトップポイントに立った!」
セイ「(あんなふうにガンプラを動かせたら…)」
リン子「セイ」
セイ「母さん」
リン子「どうかしたの?」
セイ「ううん、なんでもない。ちょっと出かけてくるね」
リン子「セイ?何があったのかしら、あの子…」
セイ「(勝ちたい…。僕の作品で、僕が求める理想の動きで、ガンプラバトルに勝ちたい)」
告知「第7回ガンプラバトル選手権、まもなく開催!キミは生き延びることができるか」
セイ「(無理!)あ~、みんな超強そう!このままじゃ、選手権に出てもサザキの言うとおり…。でも、だからって、あんなふうにガンプラを扱う奴と組むのは絶対嫌だ」
「どうにかして、ガンプラバトルに勝てる方法を考えないと…」
レイジ「なぁ」
セイ「えっ!?な、なに?」
レイジ「あそこに流れている映像、あれなんなんだ?」
セイ「えっ!?ガンプラバトル知らないの?」
レイジ「なんだ、それ?」
セイ「ガンダムのプラモデル。通称ガンプラを作って対戦するんだ。その大会の告知映像だよ」
レイジ「対戦…。要するに武闘大会みたいなもんか?」
セイ「まぁ、そうとも言えるかな。(この人、よく見ると日本人じゃない。でも、外国人でもガンプラバトルのこと知らないなんて…)」
「あ…」
レイジ「食うか?うまいぞ」
セイ「いや、僕は…」
レイジ「そう、じゃあな」
パン屋「見つけたぞ、泥棒小僧!」
セイ「えっ!?」
レイジ「おいおい、人をいきなり泥棒呼ばわりすんなよ!」
パン屋「何を言う!うちの店からパンを盗んだくせに」
レイジ「これか?これは、店の外に捨ててあったから持ってきただけだ」
パン屋「店頭販売なの!勝手に持っていかれれちゃ困るんだよ!
レイジ「だったら奥にしまっとけよ」
パン屋「盗人猛々しいとはまさにこのこと、来い!警察に突き出してやる!」
レイジ「なに!?」
セイ「ちょ…、ちょっと待ってください!」
パン屋「キミは、イオリさん家の…」
セイ「あの、悪気があってやったわけじゃないみたいだし、今回は僕が立て替えますから」
セイ「飲む?」
レイジ「ありがとう。ペッ、何だこれ、口ん中が、シュワってしたぞ!」
セイ「え?炭酸飲んだことないの?」
レイジ「けど、うまいなこれ。クハー!すっげぇ!スカってするわ」
「迷惑かけたみたいだな」
セイ「まぁ、しかたないよ。キミ、外国から来たばっかで、日本のことよくわからないんでしょ?困ったときはお互い様だよ」
レイジ「この恩は必ず返す、絶対だ」
セイ「いいよ、別に」
レイジ「そうはいかない。一族の沽券に関わる。名誉が傷つく」
セイ「(なんだか仰々しいなぁ)」
レイジ「これやるよ」
セイ「何?宝石!?ダメだよ、そんな高価なもの」
レイジ「ただの石ころだよ。」
「えっとお前…」
セイ「セイ。イオリ・セイ」
レイジ「俺はレイジだ」
セイ「レイジ」
レイジ「セイ、困ったことがあったらその石に祈れ。どんなときでも、どんな状況でも、この俺が駆けつける。どんな困難でも、俺が打開する。これは約束であり、俺の宣誓だ」
セイ「なっ、なんかすごいね、まるでヒーローみた…、あ…あれ、どこに?」
チナ「きれいね。きれいね、その宝石」
セイ「ただの石ころなんだって、バカバカしいよね」
チナ「何が?」
セイ「よし。母さん、出来たよ!ガンプラバトル選手権用に作った僕だけのガンプラ、ビルドストライク。ストライクガンダムをベースに改造した、僕だけのオリジナルなんだ」
リン子「へぇ、すてきじゃない。」
セイ「ライフルとかは、まだなんだけどね」
リン子「母さんは、セイほどガンプラに詳しくないけど、父さんが作ったプラモデルと、どことなく雰囲気似てるわね」
セイ「そうかな?」
リン子「うん」
サザキ「ついに出来上がったようだね」
セイ「サザキ」
リン子「いらっしゃい、サザキ君」
セイ「わっ」
サザキ「なるほど、これが選手権用の新型か。すばらしい出来だよ。僕が操るにふさわしい」
セイ「そのガンプラは、キミのじゃない」
サザキ「おいおい、まだ分からないのかい?キミの操縦ではバトルに勝てないってことを」
セイ「なら、そのバトルで証明するよ。僕の作った、そのガンプラで」
サザキ「いい気合いだ、つまりキミが負けた場合は…」
セイ「そのガンプラを好きにしていいよ」
サザキ「その言葉を待っていた!」
リン子「いいの?セイ」
セイ「いいんだ。ここで負けるくらいなら、もう」
ラル「事情は聞かせてもらった。そのバトル、不肖、このラルがジャッジを引き受けよう」
セイ「来てたんだ」
サザキ「誰?」
セイ「うちの常連のラルさん」
サザキ「うおっ」
ラル「ほう、いい目をしているな。自信と野心に彩られた目だ、度胸もある。しかし、戦場に絶対はないぞ、少年」
リン子「いらっしゃい、ラルさん」
ラル「うん?リ、リン子さん、おじゃましております」
システム音声「フィールドトゥーデザート」
ラル「キミたちの真剣勝負、刮目させてもらおう」
システム音声「プリーズ、セットユアーガンプラ。バトルスタート。」
セイ「イオリ・セイ、ビルドストライク、行きます!」
サザキ「サザキ・ススム、ギャン、出る!」
セイ「さぁ、どう来る?え?」
リン子「武器を落とした」
ラル「対等の条件で戦うという意志の現れ」
サザキ「違いますよ」
リン子・ラル「え?」
サザキ「負けた後で難癖つけられては、たまりませんから!」
「速い!」
ラル「ガンプラの性能は、その出来栄えによって左右される。さすがは、セイ君の新型。しかし、高すぎる機体性能に振り回されている」
セイ「うわっ、わわ…」
サザキ「高性能な機体を作っても、満足に操縦することもできない。悲しい現実だ!」
リン子「あっ」
サザキ「これ以上、機体を痛めつけたくはない。場外に出して勝負を決める!」
セイ「(逃げられない、父さんだったらどうする?また負ける、まだ何もしてないのに。負けたくない、もう負けたくない。チクショウ!)」
レイジ「諦めるな!前に出ろ!」
サザキ「何?」
セイ「レイジ、どうして?」
レイジ「お前が祈ったんだ、だから俺は来た」
セイ「え?」
レイジ「セイ、約束は守るぜ。お前の代わりに俺が戦う」
セイ「えっ、でもやったことないんでしょ?」
レイジ「俺に任せろ!」
セイ「僕のガンプラに何させてんの!やめてよぉ」
リン子「お友達かしら」
ラル「さぁ?」
サザキ「ゆ、許せないなぁ、セイ君。ド素人に、その機体を預けるなんて。それは…、そのガンプラは、僕のものなのに!!」
レイジ「よ~し、だいたいわかった!」
サザキ「なめるな!チッ!」
ラル「(初めてのガンプラであのマニューバ…。あの初年、ニュータイプとでもいうのか)」
サザキ「認めない、こんなこと。僕は認めない!」
レイジ「セイ、何か武器は?」
セイ「3番目のスロット。ビームサーベル!」
レイジ「こいつか!」
セイ「あの動き、父さんの…。僕が求めていた、理想の…」
サザキ「なんだ?何なんだ、お前は!」
レイジ「これで終わりだ!」
システム音声「バトル、エンディッド」
セイ「勝った…。僕のガンプラが」
サザキ「こ、この僕が負けるなんて…」
ラル「見事な勝利だった」
リン子「やったわね、セイ」
セイ「僕じゃないよ。僕のガンプラを勝たせてくれたのは…」
リン子「あの子どこに?」
セイ「レイジ!」
リン子「セイ」
セイ「(やっと会えた!)」
レイジ「(どんなときでもどんな状況でも、この俺が駆けつける)」
セイ「(僕のガンプラを、一番うまく操れるファイターに!)」
レイジ「(どんな困難でも俺が打開する)」
セイ「(僕の理想を、体現してくれる奴に!)」
レイジ「(これは約束であり、俺の宣誓だ!)」
セイ「(レイジ…、必ず会いにいくから。一緒にガンプラバトルをやろう。キミと一緒に戦いたいんだ!)」
「ただいま。母さん、遅くなってごめ…。ズコー」
レイジ「お、おかえり」
リン子「おかえり、セイ」
セイ「ど、どういうことだよ!?レイジ」
レイジ「何言ってんだよ、セイ」
セイ「ん?」
レイジ「お前が祈ったんだろ?」
次回予告
セイ「レイジが学校に?!」
レイジ「バトルするぞ、セイ」
セイ「え~!?」
次回「紅の彗星」
セイ「僕は学園生活を生き延びることができるか?」
約5000文字、3時間以上と予想以上に時間がかかりました…。
たった約30分のアニメでも、言葉にしてみると非常に長いのが驚きです。
全セリフを毎週やろうと思っていたのですが、ここまで大変だとは想像していなかったので、2話以降は期待しないでください。
しかし、反響は大きければ、2話以降もやるかもしれませんが…(苦笑)。
富野監督のGレコもやる気満々でしたが、一つやってみて少し気が変わりました…。
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